調律学校を卒業して5年や10年ではまだまだ一人前とは言えないと調律師たちから聞くことがあります。
他の職人同様、経験がものをいう世界であります。
ピアノは外の蓋や内部アクションの整調寸法などメーカーにより違いがあります。
置かれてある場所の環境も様々ですので、温度や湿気の影響などピアノの状態も1台ごとに異なります。
調律師は幾度となく難しい場面に遭遇したことでしょう。数をこなすだけ対処の方法が蓄積され、仕事がスムーズに運びます。
15年前頃、ある大ベテラン調律師から聞いた話です。
~C国で製造されたピアノの弦がちっとも動かない。どうしようもなかった。かつて売れに売れた頃に日本国内で作られたピアノであっても大変なものもあった。~
素材と製作の工程での手抜きだったのでしょう。まさに信じられないピアノも中にはありました。
結局、「安さ」に惹かれて粗悪品といっても過言でない品物を販売する楽器店。外側がきれいだから、おしゃれだからと楽器の性能以外で購入され
た方々はやがて、お教室のピアノと音が違うと気付かれたり、調律師になんとかしてほしいと要求されたり・・・。しかしながら、調律師の手にかかってもいかんともしがたいピアノもほんの稀に存在することがあります。そのピアノが持つポテンシャルの限界まで引き上げるしかないでしょう。日本の2大メーカーの上機種のようにある意味、調律師を選ばないピアノがある一方で、調律師の技術があからさまに露出してしまうピアノもあると言わざるを得ないのです。
一時期のC国のピアノの弦が動かない、すなわち調律が不可能な話は極端ではありますが、長年調律師の手が入ってないピアノでは、錆や湿気などで内部の部品の動きが悪い、ネズミにフェルトをかじられた。などなどは散見されます。普通に製造あてれたピアノであれば、それらの不具合は小さな部品交換などを行い、対処はできます。響板が割れるなどになりますと現場ではどうにもなりません。工房での作業になります。
いくつもの大変なケースをなんとかしてより良き状態に引き上げて来ました当方の調律師たち。
はたで見ていますと、特に男性陣は体を使い汚い仕事もいとわなず、なんとかしたい!の気持ちでやってきたと思います。
「お客さんに損はさせません」とよく言っていました。
どうぞ、ベテラン揃いのソラシ堂調律師たちをよろしくお願いいたします。

