明日に架ける橋が弾きたくて

明日に架ける橋が弾きたくて

あれは1969不詳私めが
中学二年生のみぎり、はじめて自分の小遣いで買ったシングルレコード
サイモン&ガーファンクルのシングル盤である。

サイモン&ガーファンクルを最初に意識したのは、コンドルは飛んで行くという曲を当時我々、戦争を知らない中高生の間で大ブレークしたAMラジオの深夜放送で頻繁に流していたアンニュイでアナーキーな今迄には考えられない曲想に中学二年生の私の気持ちにスウッ〜と入り込んで来たからという直感がこのアーチストに入れ込んだのがきっかけだった。

で、間をいくらも空けずに、これの事もCBSソニーの戦略かは中二の私にとっていざ知らず、コンドルは飛んで行くの虚無感に浸って諸行無常感覚の骨頂の心境にあった不詳私にとって突然
今度は今迄の価値観、人生感を180度翻す誠に希望に満ちた幸先まんざらでもない人生をこれからどうやら過ごせそうだ
と.

これまた直感で不詳私めの単純な回路に入り込んで来たのが何を隠そう

この明日に架ける橋だったのである。

で、なんと言っても私が一番感銘を受けたのは、このレコードを買うと特製のポスターが付いていて、これがまた実にいいんだ


ブルックリン橋のシルエットがマンハッタンの摩天楼に向かって遠近法に従ってだんだん先っぽが細くなって行ってマンハッタン側のデッカい夕日はオレンジ色に黄昏て摩天楼の裏側に沈もうとしてんだよ

このポスター見た途端、当時中2生の私は、心に誓っつたね明日ってのは必ず俺みたいな落後者にもかかわらず来るもんなんだなと

そして
この世に生まれたからには、絶対に彼の地に行くのだと
恥ずかしながらこれはもう半世紀近く前の話である。

で、これには続きがあって、
これは命懸けに近いものかも知れないがと前置きしての話だが

強い想念は必ず具現化する

とミスターもいみじくも仰っております。