目からウロコでした。
N響首席オーボエ奏者茂木大輔さん著『オーケストラ楽器別人間学』読んでみました。
装丁表紙のイラストが目を引きます。あの方が棒振っておられる!
初版から二十年以上経て昨年修正された本です。長らく知らなかったのが残念。
ところで、著者の茂木さん「のだめ」の監修されていた方だそうで(‼)
どこかで聞いたようなお名前??でしたが、執筆、指揮に作曲と幅広く活躍されておられるのを読後に調べ、知りました。なんと精力的でしょう。
さて、一般的な職業においてなら、営業マン はこんな感じ、魚屋さん、弁護士はこんな感じというイメージの既成概念があったりします。
音楽の世界では、ピアノ科出身と声楽科出身ではちょっと雰囲気が違うかしら?と何となく感じる程度でしたので、
バラエティーに富んだオーケストラ・メンバーの性格、人間性が
「その演奏する楽器の特性、役割、機能にマッチしたものになっている」
こんなこと考えたこともなかったので、新鮮な驚きでした。
茂木さんという方は人間好きなのですね、きっと。オーケストラ団員のインタビューと分析、構築には大変な手間がかかったでしょうが、それが苦になどならず、遊び心旺盛で柔軟な方という印象。膨大な人脈にも裏打ちされているのでしょう。
ユーモアとエスプリが効いた軽妙な文章に引き込まれて、普段知ることの出来ないオーケストラの世界に誘ってくれます。
面白かったのが、指揮者=勝ち組ということで、リーダーである政治家がリーダーである指揮者だったらどんな感じになるのかの空想が面白い発想です。
トランプ大統領、習近平国家主席、プーチン大統領などなど。プラス、ナイナイ岡村さんにはよく観察されているなと笑いました。
それから印象に残ったのが、金管楽器の場合、金属を絶えず触り口に当てていること。当たり前だけれど、自分が経験ないので見ているだけでは、それによって体や神経にどんな影響を及ぼすのか知りえないことです。当然弦楽器とは違うわけですね。
ちょっと話が逸れます。
ピアノは外から見ると木。もちろん木材がたくさん使われていますが、内部には金属があり、その金属である弦を先が金属でできたハンマーで調律しますから、その行為は力の要るものです。初めは張弦がこわくて仕方ありませんでした。硬く、堅い作業。人間(いえ、軟弱な私)に相容れるものでないのではないと。あの冷たい音叉を口にくわえるなんて!!
それもいつしか慣れ、そんなものかといふうになっていったのですが…。だいぶ脳は疲弊していたことを思い出します。
そうそう、N響のクラシック音楽館では指揮者とソリスト、マロ氏しか見ていませんでしたが(苦笑)、これからが楽しみになりました。団員さん方の表情に注目します。
